チャックにまつわるお話
皆さんはズボンのチャックが開いていたことがあるだろうか、またはそれを友達などに指摘された事があるという人は結構いるのではないだろうか。
ズボンのチャックとは世間的に言うなれば「社会の窓」 である。
僕に言わせれば社会の窓を開けることにより下の部分を危険に晒しつつも、「チャック開いてたネタ」を話題に使うことにより、コミュニケーションが取れ、友人同士の交流を深めるとこが出来る、しかしながら異性に見られた時などは冷たい視線がチャック人間のハートをえぐるという恐ろしくハイリスクローリターンさが拭えない事象と言った所だろうか。
まぁ、余談はさておき、チャックに関しては人それぞれのストーリーがあると言うものだ。
その中で僕の中学時代の友達のチャック事情についてお話したい。
僕が中学時代の頃、とりあえずトイレに行く時は連れていく友達がいた。
同性愛とかそういうものでは無いが、その友達とはトイレの近さが時間的にほぼ同じだったので、よく一緒に行っていたという感じだ。
ここから先は友達の名を「ブー太郎」(仮名)として話を進めていく。
ある日、いつも通りブー太郎とトイレに行った。
僕はさっさと用を済ませ、手を洗い、ブー太郎が済むのを待っていた、しかしブー太郎はいつまで経っても小便器の方に立ちすくんだままだった。
「ブー太郎どうしたんだ?」 と僕は声をかける。
ブー太郎は少し動揺しながら
「チャックが閉まらない」と言った。
「マジか!?笑」 少し笑い気味に僕はブー太郎のチャックを確認する。
やはりチャックは壊れていた笑
あれは確かにチャックで8の字ようなものを描いていた笑
経験したことがある人も多いのではないだろうか、ファスナーを閉めたのに閉めた部分がまた開く現象、それによって造られる8の字のような、少しカッコ良く言えばメビウスの輪のようなあれ、あれはチャック界の名物とも言える現象だ笑
しかしながらブー太郎はチャックを治すのに精一杯である笑
授業までもう時間がないので、ブー太郎は決心し、チャックは開いた状態で
制服のシャツを7割程だし、シャツinでもなくシャツ出しでも無いギリギリのラインを攻めることにより、開きっぱなしのチャックをシャツで隠すことに見事成功する。
さぁ次の授業は数学の時間、数学では授業の後半に問題を発表するような流れで進んでいく、運がいいのか悪いのか、ブー太郎は発表する事になってしまう笑
しかしブー太郎は見事に立ちながらも直立ではなく、足を少し曲げ、身長を低く見せることにより、机の高さとチャックの高さを合わせ、チャックを隠すことに成功する笑
僕だけチャック案件を知っているので、ブー太郎を見ていて笑いをこらえるのが精一杯であった笑
数学の授業を見事乗り切り、給食も難なく乗り切り、チャック隠しのプロと言う僕の中での異名を付けられたブー太郎は、少し気の緩みを見せた。
掃除の時間、気を緩めすぎてシャツが全開に出てしまっていたのである。
たまたまその場を通りかかった先生が、
「ブー太郎君、シャツをしっかり入れなさい」
と注意を促した。もう逃れることは出来ない...
ブー太郎は今まで隠してきたチャック案件を先生に全て話した。
先生はしっかりとブー太郎の話を聞き入れ、
どうにかしようということになった。
良かったな、ブー太郎。
僕は少し安心した。
それから10分後...
用事から戻ってきた僕はブー太郎のチャック
を確認する。
そこにはしっかりとどこから見ても目立つような色つき安全ピンが取り付けられていた